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現存する世界最古のイコン

木を基材とした現存するイコンとしては最古のものの三枚がカタリナ修道院に残っています。それぞれ『キリスト』『聖ペテロ』『聖母子と聖者、天使たち』の図像です。縦90センチ、横50センチほどの板に蜜蝋で溶いた顔料を定着させるエンコースティック技法で描かれているそうです。これらのイコンが誰が描いて、どこに飾られていたかは正確には分かっていないそうです。これらの絵の周囲には絵の具の塗られていない部分が細く縁取りのように残っているそうです。周囲が木枠で縁どられていたのではないかという痕跡があるというのです。これは絵の具を塗り重ねる前に基材となる木の板の周囲に何らかの枠が固定されていたと考えられます。もしかしたら額縁のようなものに入って壁に飾られていたかもしれません。壁面から自立して移動し人々の前に出したのではないでしょうか。