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ウフィツィ美術館の荘厳の聖母

チマブーエの代表作で、現在はウフィツィ美術館に展示されている荘厳の聖母は、サンタトリニテ聖堂の主祭壇画として制作されました。その周囲は、ルーブル美術館にあるものとは明らかに異なるそうです。

縁取りは絵画の延長上に描かれたものだけではなく、独立して絵画を装飾するためのものとなっていて、さらに意匠をもっているそうです。枠の上には等間隔に配された円形の装飾とそれらをつなぐ太い線によって構成されています。聖人たちもメダイヨンはありません。

その役割は終わったようです。枠の装飾の色は、聖母やキリストの衣服との調和を考慮して選択されたかのようだという人もいます。

縁取りと装飾と絵画とが、色彩や形状によって相乗効果を生み、それぞれの存在を補い合っているともいえます。額縁としての機能が装飾として出ていると思います。