ロンドンのナショナルギャラリーに所蔵されているGiovanni Bellini(ジョバンニ・ベリーニ)作とされる「Doge Leonardo Loredan(ヴェネツィア総督レオナルド・ロレダーノ)」を収めた額縁がよく引き合いにだされます。箱型額縁はどちらかと言えば、ほどこされる彫刻も心持ち浅めの特徴を有すると言われるのに対し、ここにご紹介した額縁は形態こそ箱型でありながら、内枠の装飾模様といい、外枠の金粉処理仕上げはまさにタベルナクル額縁の流れを汲むものと言えるからです。あるいは、もっとタベルナクル額縁の表面処理を豪華にしたような、同じ美術館所蔵のSebastiano del Piombo(セバスティアーノ・デル・ピオンボ)作とされる「The Madonna and Child with Saints and a Donor(聖家族と寄進者)」を収めた額縁は16世紀頃のシエナ製とされるもので枠上部の特徴的な彫刻は見る者に強く印象づけさせるに十分な作りとなっていて収められた絵画をより一層ひきたてるのに一役かっていると言っていいでしょう。